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大迫力の大衣装

 
この奇抜なデザインの着物、一体なんだと思いますか??
 
歌舞伎の衣装?
 
相撲取りの上っ張り??
 
いえいえ、実はこれ、江戸時代の 『布団』 なんです!
 
とはいえ、ここで御紹介するのは、
特別お金をかけて誂えることができた人たちのための特別な『布団』です。
正式名称はは、『布団』ではなく『夜着(よぎ)』といいます。
武家階級や位の高い人々、また、町人の中でも特別な富裕層の人たちが
富の象徴として誂えたものです。
夜着は、婚礼支度として荷中になくてはならないものでした。
 
夜着では、吉祥文様が友禅で描かれているものが多いです。
また、今回御紹介する中にはないのですが、
よく用いられるモチーフに『隠れ蓑』『隠れ笠』があります。
これは、眠っている無防備な人間を邪悪なものから守るという考えから、
身を隠す蓑や笠を描くようになったそうです。
 
つい最近まで、布団というのは高価な物、という印象がありましたよね。
嫁入りの際には整えていくもの、とされていましたし、
現代でも、婚礼に合わせて夜着を誂えるという風習がまだある地方には残っているようです。
(NHKの番組でやっていました。)
 
余談ですが、私の父が大学生だったウン十年前、地方出身の、もさっとした男子大学生がまさにこの夜着を、下宿に持ってきてこれで毎日寝ていたそうです。それはもちろん高価な絹製でもないし、こんな素晴らしい友禅で描かれたものではありませんが、布団として夜着の形が残っていることに当時の父はただただ驚いたそうです。(そして、完全にひいていたようです)
 
夜着というのは、着用していた衣服を体に掛けて寝具とする用い方が後世に引き継がれたものです。
体をすっぽりと覆ってしまわないといけないので、仕立てはかなり大きめです。
全体にたっぷりと綿が入っているため、触り心地はふわっふわです。
 
で、ちょっと夜着で寝てみました!
 
こんな風に使うのだと思っていたのですが・・・


 
 
どうやらこうやって掛け布団のように掛けて使うようです。




ふわふわで軽い羽毛布団に慣れているので、重くて寒いだろうと思っていると・・・
これだけたっぷりの真綿が入っていても軽い!絹がさらさらで気持ちいい!
肩まわりも暖か!
と、想像をはるかに超えた素晴らしい寝心地でした。
お金持ちの布団。と言ってしまうと身も蓋もないのですが、まさに、そんな感じです。
 
こちらは江戸後期のものです。
友禅で描かれた華やかな色彩が特徴的で、大変贅沢な雰囲気がありますね。
上下の鶴と亀が顔を向き合わせる大胆な構図です。
亀の周りの水は、不老不死の仙人が住む山、蓬莱山を表現したものです。
竹の葉などに江戸時代中期以来の友禅染の、
色替わりとして虫食い状に処理をするという伝統も引き継がれています。




こちらは江戸中期ごろの夜着です。
紅地に、絞りで白の部分の模様全体を表し、
輪郭を墨の描絵で大胆で迫力のある唐獅子牡丹を描いています。
いずれの夜着もそうですが、この時代はまだ科学染料は一切使われていません。
紅の色は退色しやすい色なので、今は落ち着いた色に見えますが
この夜着が作られた当初は大変鮮やかな紅色で、
今と比較にならないほどのド迫力だったことでしょう。





こちらは夜着を打ち敷きに直したものです。
鶴亀やその他の文様部分も全て色鮮やかな刺繍で表されています。
これでもかというほどお金をかけた豪華絢爛さですね。



しかし、どうしてこうも皆顔が怖いのでしょうか。。





江戸時代のものでも、仕立て直したり着物や帯に貼り付けたり、
何か加工をして現代に使用できるもの、というとまだ需要があり、
情報もあるのですが、
こういった夜着のように、そのままではどうにもならない!
けど、素晴らしい手仕事の江戸時代の染織品を、
また少しずつ皆様に御紹介していきたいと思います。
(ちなみに、このブログに掲載されているものは、全て販売しております。
ご興味のある方、お気軽にお問い合わせくださいね!)
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